【12/10 追記あり】 最近印象に残ったポッドキャストのエピソード - Cash の話

最近聴いたポッドキャストのエピソードで面白かったものを二つ。


This American Life: #334 Duty Calls



聞き終えた後は一本の良質の映画を観終えたような感じになります。人生について深く考えさせられるエピソードでした。聞き終えて数日経ちますが、まだ余韻が続いています。ひとつひとつの選択は大したことがなさそうに思えても、それが続いていくことでとてつもなく大きな違いが生まれてしまう。自分が今まさに感じていたこととリンクして、深く考えさせられるエピソードでした。

もうひとつは

Freakonomics: Why Are We Still Using Cash?




とくにインドの件が面白かったです。デジタル化、デビットカードされ、お金の動きが可視化されることで、その取引履歴をもとにローンが組めるようになるはずだ、という視点です。これまでのように不動産などを元手にローンを組むしかない場合、不動産や担保となるものを持たない多くの方はローンが組めません。でも、このシステムができれば、定期的に口座にお金が入ってくる(=稼ぐ力がある)人、買い物履歴から信用を得られると判断された人がローンを組めるようになる。これはとても大きなゲームチェンジャーになり得ます。これは、銀行がリスクをとって、未来にリターンが見込めると判断した方に貸し出すという、そもそもの銀行の姿が広がることでもあると思いました。今はできるだけリスクをゼロにするために、担保をとるか、企業勤めの人間(=社会的信用がある人)が家を買う場合に団体信用生命保険(団信)に加入したうえで初めてローンを組めるのが一般的なのかなと思います。銀行としてはリスクゼロで、とりっぱぐれることはありません。

でもいつかこのシステムができれば、稼ぐ力がある人間は例え個人事業主でもお金を借りて、さらに起業などチャレンジすることがやりやすくなるのではないかと思います。非常にダイナミックです。


But I think the biggest thing in favor of going cashless is that now my digital behavior of payments I can now harness to get a loan. And I think that’s a huge thing. Tpically loans are given against assets, and these people don’t have any assets. But once you have their payment history, then you can give loans against the cash flow because you know that they have a certain earning capacity, and therefore you know that they can pay the loan back. So I think — I see that credit, affordable and convenient credit, is the killer app of making this country cashless.



どうでもいいですが、この発言の中harnessが使われているのもいいですね。こういったインタビューでよく出てきます。

またキャッシュレスにすることのもうひとつのメリットとして、マネーロンダリングがしにくくなったり、犯罪抑止になったりするという点も詳しく論じられていました。


逆にデメリットとして履歴が残りますから、匿名性は失われてしまう恐れがあります。この潮流がどうなっていくのか今後もフォローしていきたいなと思いました。

【12/10 追記】

ふと考えると初めのエピソードも、二つ目のエピソードもお金やお金にまつわる犯罪の話が出てきます。偶然なのですが、これからのキャッシュ(現金)の在り方について考えさせられますね。

と、思っているところにAmazonがまたすごいシステムを開発しました。まだ試行段階のようですが、広がっていくかもしれません。Amazonが乗り出したら、キャッシュレス社会へ一気に加速しそうでもあります。




今年を表す漢字が発表される時期が近づいてきました。今年は何が選ばれるでしょうか。個人的に頭に浮かぶのは

「転」

でしょうか。トランプさんが「逆」と言われる形で大統領選を制したり、小池百合子さんが都知事に選ばれて、これまでから「一」して築地移の話が棚上げされたり、イギリスがEUから「出」すると決まったり、高齢者の「運」の事故も多く報道されるようになったり、SMAPも急して解散が発表されました。とても人気のあった芸能人がゴシップや犯罪などでその地位から落してしまったり…。色んな変化がおきた落ち着かない一年だったなぁと感じます。

みなさんにとってはどんな一年だったでしょうか。来年は個人的にももう少し落ち着いて前進できる一年にしたいです。

-----------------------------------

英語とは関係ないのですが、先日ニュースで若干15歳の久保建英選手がインタビューに答えている映像が流れていて度肝を抜かれたので貼っておきます。すごいなー。

しなやかに。

いよいよ12月!2016年も残すところあと1か月です。今年は英語に関しては停滞、後退、となかなか思うように勉強が進まずやるせない気持ちになります。一方で、色々とそのほかの場面で勉強になったことも多かったなと思います。


今日運転中にこの曲がかかりました。思わずこみあげてくるものがありました。結構前にかかった時に、慌ててShazamを起動させて検索をかけました。以前だったら歌詞を記憶して、家に帰って慌てて歌詞から検索をかけて何ていう曲か調べたものですが、今は本当に便利ですよね。日本語の曲だったり、クラシック系は精度が落ちますが、英米のヒット曲は数秒で完璧に探し出してくれるので圧巻です。




ちょっとFun.っぽさやVampire Weekendっぽさもあり、自分的にドンピシャでした。


2016年、日本にとっても、世界にとってもなんだかふしぎな一年だったなぁと感じています。当たり前だと思っていたことがひっくり返っていくような、ふしぎな一年。そんな中でもしなやかに変化に対応しつつ、当たり前の毎日を変わらず送ることがきっと大切なんだろうなぁと思います。簡単ではないですが。


遅くとも来年の夏前には英語の勉強をすべて元のルーティーンに戻したいと思っています。何が起こるか分かりませんが、いろんな変化の中でも倦まず弛まず着実に前進したいです。

声にまつわる色々

キタキタキター!! 

ついにきました。『君の名は。』 英語吹替バージョン。なんとかして観たいです。




三葉(みつは = 主人公の少女)の声はオリジナルとはかなり異なる印象になっており、日本版の落ち着いて控えめな、ちょっと内気な感じがトレイラーを見る限り消えている感じがしました。


やはりコメント欄でも若干炎上していて、「字幕で観るべき」、「黙って感謝して観ろ!」、「Blue-rayの発売待て」など色んな意見が書かれています。


三葉の吹き替えの声に否定的なコメントでよく出てくるのが "cringe", "annoying", "sound-off"とかでしょうか。自分が見たときは、"cringe" がいちばん多かった印象でした。こういう単語が実際に使われている場面はとても貴重なのでありがたいです。実際に使われている場面を共有して、感情を一緒に「経験」しないと中々使えるレベルにまで昇華しづらいですよね。


cringeのこの意味は知りませんでした。「身を縮み上がらせる」的な方だけしか知らなかった。でも、Merriam-Websterでも1番初めの意味はこっちになってますね。

画像


Urban Dictionaryではこの説明もあります。

画像


そういえば以前、来日した友人を、『君の名は。』でも登場するレストランに連れて行ったことがあるのですが、会話の中で友人が"diluted"を使ったんです。実際の会話で"dilute"が出てきたのはそれが初めてで、密かに嬉しかったのを覚えています。実際の会話で使われると、それがたった一回の数年前の出来事だったとしても、それほど強烈に脳裏に焼き付いて深く定着するので、すごいものだなぁと思います。


ちなみにそのレストランはここ

画像



日本で英語吹替版が見られるのはまだまだ先になりそうですが、いくつかどういう台詞に落とし込まれているか確認したい場面があるので、首を長くして待とうと思います。


英語を話すふたりも純粋に楽しみです。
------------------------

英語の声、といえばもうひとつ面白い(?)ことがありました。


先月、学校の行事でアナウンスを担当することがありました。放送役を担当することになってから、自分の中では「英語を話すときの声」を使ってアナウンスしよう、と決めていました。その方が恐らく聞き取りやすいし、耳障りではないだろうと思ったからです。


自分自身は日々英語の練習をするときにも、ネイティブの友人と話すときにも英語を話すときに使う喉(?)の場所を使って話していますし、英語を話す自分の声を毎日聞いています。その声で日本語を話すだけなので個人的には、特段違和感はなかったのですが…


普段日本語でしか会話していない方(というか、自分以外の全員)は、あまりにも声がちがうので衝撃的だったようで、「誰が話しているか分からなかった」という声をたくさんもらいました。(笑) なんなら放送係だと知っている自分の子供にすら、本当に話してた?と疑われる始末でした。


ただ、「分からなかった」という声と同時に、みなさん仰っていたのが、「聞き取りやすかった」 というもので、後は 「アナウンスの仕事の経験があるのかと思った」なんていうとんでもないお声まで頂戴しました。(お世辞にもほどがある)


話半分としても、聞き取りやすく、心地が良い声だという印象をお持ちになった方が多かったんだな、と半ば予想通りでニヤッとしました。決して実験したわけではないのですが(汗)、それでも「やっぱりな…」という感想です。


今は普段日本語を話すときにも英語の声を使って話せるよう意識しているのですが、なにしろ数十年に渡って培ってきた「日本語の声」なので、これが難しい。とっさに、喉の高い位置から(?)、喉を絞って出すような甲高い声が出てしまうんです。とくに、顔見知りの方にばったり会ってご挨拶するときなんかは、テンション高めでご挨拶する場面が多く、そういうときの第一声はそうとう日本語声になります。(=甲高くなる)  甲高くなるだけではなくて、なんというか説明が難しいのですが、アニメボイスとかああいう系列の声に近づいてしまいます。日本語を話すときから英語で使う喉の場所を使って話してらっしゃる方(たとえば、以前話題になったショーンKさんみたいな方)は、こういったジレンマはないんだろうなー…とうらやましいです。



ちなみに日本語を話す声はこんな感じ。(約2年前ですね…。他の動画は削除してしまってました)





で、英語で使う喉(?)というか首(?)の場所が分かった後の、英語を話すときの声はこれ。






最近は、英語を話すときも、もうちょっと高くなってるかなー。英語使わない日が続くと、どうしても感覚が鈍ります。いずれにしても自分の声(日本語でも英語でも)を聞くのは苦痛でしかないですが、引き続き恥をしのんで頑張ります。

大統領選雑感

この話題には触れずにスルーしようかなと思っていたのですが、英語学習者としてスルーするのはやはりちょっと不自然だとも思うので書こうと思います。


先のアメリカ大統領選についてです。あまり英語学習には関係ない話題になるかもしれないので、ご興味のない方は無視してください。


私はこの選挙については、トランプ候補を支持していました。厳しい戦いではあるものの勝つことが無理だとも思っていなかったので勝利はそれほど意外ではありませんでした。同時に、もしトランプ候補が負けたら、私が子供のころから知っているアメリカは終わり、別の国に変わっていくだろうとも覚悟していました。自主自立と自由を何より重んじるアメリカから、社会主義的な要素が強くなった国の形へ少しずつ変わっていくだろうと思ったからです。 


とは言え、私はアメリカに住んでいる訳でもないし、アメリカ市民でもないので、実際にアメリカに国民として住んでいたら全く逆の選択をしてヒラリー候補がいいと思ったかもしれません。あくまで日本から傍観者として見ていた限り、今回はトランプさんがいいと思っただけです。


今回トランプ候補が勝利しました。大番狂わせと言われていますが、それは大手マスメディアを通しての総括で、インターネットなど生の情報で見る限り、そう番狂わせもないとも感じます。自分がトランプ候補の方が良いと思った理由をまとめると


1. 父親の会社を譲り受けたとはいえ、そして何度も破産したり、いくつか会社を駄目にしているとはいえ、ビジネスと経営についての経験が豊富であること

 → 過去8年間のオバマ大統領時代でアメリカ経済が大きく成長したとはいえず、約1年前から、Wall Street Journalなどで、成長し続けてきたシリコンバレーへの投資の流入がかなり落ち込みを見せ、Startup companyが投資をつのる(=新たな起業)が難しくなっていると報じられることが増えてきました。討論会などでの発言を見ても、ヒラリー候補の経済政策は曖昧で実行力があるように見えないので、まだトランプ候補の方が経済政策についてはマシに思える。

2. 外交政策についての大局観がトランプ候補の方があるように感じる

今回の選挙戦を通じて、私が一番印象に残っている発言はトランプ候補が言った

"Nato is obsolete."

です。両候補が、中東、ISISへの対応について尋ねられた場面で、ヒラリー候補は「NATO諸国と引き続き連携、協力して攻撃、対応していく」というような発言をしました。これを受けてトランプ候補は"Nato is obsolete."(Natoは時代遅れ)と続け、Nato諸国の多くが負担金を相応に支払っていない上、アメリカの負担が大きすぎると批判しました。暗に中東からは手を引くと示唆しました。中東に関してはロシアがある程度問題を収拾しつつある上、トルコも今年のクーデターと前後してロシアとの関係改善を積極的に図っています。おまけにEUも移民問題とBrexitを受けてガタガタとしている。多くの人が「NATOはすでに機能不全で問題の対処能力はない」と感じているところだと思います。 それなのに尚、NATOとして中東をなんとかしようと思っているヒラリー候補。本音なのか建て前なのかそれはわかりませんが、Presidential Debate でそれを公然と言ってしまうところも含めて、世界の潮流への大局観としてはトランプ候補に軍配だと思いました。


3. マスメディアのヒラリー候補への常軌を逸した肩入れが激しすぎた


大統領選の報道ではほぼすべてのメディアが中立どころかあからさまにヒラリー候補支持、擁護の論調を展開しました。素人の私ですら異様に感じるほどです。例えば、アメリカのエネルギー政策にトランプ候補が

"Our energy policies are disaster. Our country is losing so much in terms of energy, in terms of paying off our debt."

と述べたことについてのFact Check(真偽の検証記事)でScott Horsleyという人が、トランプの言うことはでたらめだと言って、こう書いています。

Domestic oil and gas production have increased steadily during President Obama’s time in office. The U.S. has been the world’s leading producer of natural gas since 2011 and the top producer of oil since 2013.

The Energy Information Administration says gasoline prices averaged $2.17 a gallon last week — about a nickel cheaper than a year ago, and about 30 cents a gallon less than Obama’s first year in office, and about a buck and a half less than during George W. Bush’s last year in office.


Scott Horsley
White House Correspondent


うっかりなのか、意図的なのかわかりませんが、今年だけで175社のガス、オイル起業が破産する可能性があると報じられており、昨年だけでも数多くの会社が破産していることから論点をずらして擁護しています。オバマ大統領の肝いりで始まったグリーンエナジー政策。シェールガスの掘削も盛んに行われ、アメリカが一大エネルギー輸出国になると一時非常に話題になりました。その後、産油国側が石油価格を抑え(ダンピング?)たことで、シェールガスは掘れば掘るほど赤字という事態になり、破産する企業が急増。この辺の話題は地球の裏に日本でも特集番組が流れた程です。

石油の価格競争で負けて、政府が推し進めたシェールガス企業が軒並み破産し、引き続き産油国に多くを頼らざるを得ない状況についてトランプ候補は批判したのではないかと思われるのですが、それなのになお、ガスの生産では世界一で、石油価格は約4リッターで200円と安いからアメリカのエネルギー政策はうまくいってる、だからトランプは間違っていると報じます。

万事がこの調子で、ヒラリー候補の機密情報のメール問題よりトランプ候補の過去の女性蔑視発言を集中砲火でした。選挙終盤ではCNNのDonna BrazileがPresidential Debateで予定されている質問についてヒラリー候補に事前にリークしていたことが明るみとなり、解雇されました。


こういった色々な状況を見るにつけ、フェアではないと感じました。


4. 保守派は自由に発言できない雰囲気が危険だと感じた

オバマ政権時代から、様々な面で差別撤廃への働きかけが積極的に行われるようになりました。ゲイライツ、同性同士の結婚への門戸開放の広がりを見せています。この流れを受けて、ヒラリー候補はこういった性差別のみならず、人種問題も含めて超リベラルに舵を切ることは容易に予想でき、かつ、選挙戦でも女性の地位向上についても舌鋒鋭く論戦を展開していました。(逆に言うとそれ以外の話題については曖昧)

ゲイライツ運動に賛同するたくさんのアーティスト(レディガガやマドンナ、Fun.のメンバーなど)も早くからヒラリー候補支持を表明して支援していました。


大変結構なことで批判するところはないように思えるのですが、この流れが強まるにつれ、若干行き過ぎだと感じる人々も増えていたのではないかと感じます。例えば今アメリカで問題になっているらしいのが、学校などでのトイレ問題です。transgenderの児童がどちらのトイレにでも自由に入れるようにすべき、そういった環境を整えるべきという指針を政府が示しました。それについて論争がまた起こっています。

問題なのは、こういった全てを平等に、という動きに「それはちょっと…」と言えない雰囲気が出来ているということです。ちょっとでもそれを口に出せば、"Sexist" "Rasist"と罵られてしまう。その言葉は今アメリカ社会で何より重い十字架になるので、誰も公然とは反対しずらい。たとえ理由に差別意識は含まれてはいなくても、です。マイノリティでない人たちが何も言えない雰囲気になりつつある。

割と早い時期からnormal という表現はできなくなりました。transgenderやgay、bisexualでない人をnormalと表現すると、LGBTの人はabnormalなのか、それは差別だ、ということになるからです。そこで生まれた表現が "cisgender"。生まれつきの性別と自分の考える自分の性が一致する人をこう呼ぶそうです。

このように使えない言葉、言えないきもち、新しい言葉がどんどん生まれています。


自由の国アメリカ。なんでも思ったことは自由に発言していい、議論の国であったはずなのですが、自主規制をしなければならない雰囲気になっているようです。日本語で言うところのPolitical Correctness (建て前に似た感じ)でしか発言できない雰囲気。この雰囲気に懸念を表明する人がじわじわと増えてきました。色んな意見があっていい、それを表明していいはずなのにすぐに炎上してしまい何も言えなくなる現象。日本でも同じかもしれません。


Trump’s staying power, however, is rooted in the fact that his supporters are not fighting for any particular political outcome, they are fighting back against a culture they think is trying to smother them into cowed silence.
 (- "How the P.C. Police Propelled Donald Trump")


あえて尋ねませんでしたが、私の知人のほぼ全員がヒラリー候補支持だったと思います。またネットなどでも、自分の周りにトランプ候補は一人もいないし見たこともない、と言っている人もたくさん見ました。それはきっと、トランプ支持と言ったら、「無教養の差別主義者」だとレッテルを貼られるのでそれを恐れて、トランプ支持者の多くは沈黙していたからだと思います。

--------------------------------

今回トランプ候補が勝利したことで、カナダの移民VISAのウェブサイトが一時的にダウンしたと話題になりました。トランプが勝ったらアメリカには住めない。カナダに行く。どこまで本気なのかそう口にしている人もたくさん見ました。冗談だとは思いますが、「気に食わなかったら別の国に行けばいい」と考える人と、その場所を簡単に動けない(動かない)人では求める未来もちがうだろうと思います。仕事を続けざるを得ない農場主や自分の小さな会社を地元で経営している方はその場を、その国をなんとか良くしていくしかありません。気に食わない政策を掲げる人が大統領になったらほかの国に行く、そう考え動く方たちと共同体を作り上げるのは難しい面が出てくるのかもしれないなぁとみていて思いました。



テレビに出てきたトランプ支持の中年の女性がこう言っていました。

「なにもトランプが最高の候補だと思っていやしない。一回やらせてみればいい。それで駄目だったら4年後にクビにするだけの話よ」

トランプ候補に投じた方の多くは、このように感じた方が多かったのかもしれません。何もトランプ大統領ひとりで仕事するわけではないですし、政治のプロ中のプロがキャビネットを固めるわけなので。

----------------------------

ヒラリー候補であっても、トランプ候補であってもTPPは棚上げにすると表明されていましたし、在日米軍の縮小、撤退の流れもさほど変わらなかったと思うので、日本にとってはいずれにしてもあまり変わらないかなというのが個人的な印象です。トランプさんは現実的なのでロシア、中国とも是々非々でつきあっていきそう。日本はロシアとの関係強化などすでに忙しそうですが、在日米軍が仮に撤退したとしても大丈夫なように色々と考えなければならない時期なのかもしれません


今回の選挙戦を通じて、アメリカでもOld Mediaの影響力は相当弱まっているのだなと感じました。個人がどんどん生の情報に触れて考えられる時代。英語が分かればなおさらダイナミックに世界の動きが分かり楽しいですね。もっともっとがんばって勉強したいと思います!

Cost of Ownership: The Inevitable

お久しぶりです。またとんと更新が空いてしまいました。早くも11月、風もずいぶんと冷たくなってきました。今年は予想通りなかなかの忙しさで、実際には予想以上だったりもあり、英語の勉強の方はストップする日も多くなりました。倦まず腐らず、また時間が確保できる日に備えようと思っています。



そういえば先日アメリカから来日した友人とMLB Cafeという場所に行ってきました。ちょうどワールドシリーズが始まったところで、見逃したくないという声を受けて出かけてみました。存在は知っていたのですが、中々ひとりで行く機会もなかったのでとてもありがたい経験でした。早朝から店内は試合を見逃すまい!という熱狂的なCubs ファンが集まり英語が飛び交っていました。

"There you go!"

"Here we go!"

"Shoot!!"

この辺がまさに飛び交っていたわけですが、こういった"超"気持ちのこもった間投詞をリアルに聞くことはそうそうないので、うれしさでニヤニヤしてしまいました。たまに "I'll punch him!" とかもありましたね(笑) 


野球は門外漢なので、頭脳ゲームとして戦略などを深く味わいながら観る楽しさ到底分からないのですが、見どころがわかればもっと楽しいだろうなーと歯がゆい気持ちでした。なにしろ"Starter"(先発) と"Closer"(抑え)すら、おお、英語ではそう言うのか!と改めて知ったほどで…。


7回あたりでしょうか? 観客全員で"Take Me Out to The Ball Game" を合唱する光景は、野球ファンならずとも鳥肌が立つような素敵な光景で、いいなぁ~と見とれました。風船飛ばしもいいですが、歌もいいですね。



////////////////////////////////////////////////////////


さて、話題は変わりますが、最近ずっと頭にあることは

"Cost of Ownership"

という視点です。この言葉はFreakonomics: The Future (Probably) Isn’t as Scary as You Thinkを聞いて出てきたもので、それを耳にした時、「ああ、それだ!」と膝を打ったのです。





One of the inevitable trends that Kelly points out is “dematerialization“— the fact that it takes so much less stuff to make the products we use.



Kelly はこう言います。

"Yeah, that’s a long ongoing trend. (中略) So you get the same benefits with less matter."



自分が感じていた流れがはっきりと言葉になって語られたのでとても興味深かったです。日本語でざっくり言うと、「いかに少ない物でこれまでと同じ快適さを得られるかを求める流れ」でしょうか。

これは同じことなのですが、逆側から表現するとKellyも言うように、「所有することで派生するコスト」に目を向ける、ということになります。

たとえば、車は日本では所有するだけで年40~50万円かかることもザラです。(保険、車両税、駐車場代、ガソリン代、車検代など) とりわけ若い人は車を所有したがらない傾向が強いですが、もし、日本にUber のようなサービスが認可されたら、車を手放す人はさらに増えると思います。


これは何も「車」に限ったことではなくて、これまでの物を所有することを求める流れから、物を手放す流れが押し寄せているなぁと感じることが増えました。金銭的なコストだけでなく、所有すること=管理し続けなければならないということに対するコスト意識がとても高まっていますよね。こんまりさんのお片付けの魔法をさらに超えて、日本でもミニマリストに注目が集まるようになっています。(アメリカのミニマリストとは厳密には定義がずれているように感じますが…)


最近ではRelationship(人間関係)に対するコスト意識もますます高まっているのかなとも感じます。金銭面だけでなく、精神的な面でも面倒さを排除していこう、という流れなのかな。


あまり意識はしていませんでしたが、個人的にも今年は家の中から不要なものや、使っていないもの、これから使う予定のなさそうなものを処分したり、譲ったりした一年でした。部屋もすっきりとし、空間も広くなり、掃除も楽になりました。地震の時も余計な物がない方が危険も少ないなとも感じました。

今年はやらなければいけないことが山積みの日々なので、家事の負担をできるだけ減らし、効率的に行うために強制的に行った結果なのですが、精神的にもとても気が楽になった気がします。


こうした流れがアメリカだけでなく日本でも確実に見られるようになった2016年なのかな、と感じるこの頃です。




来年の春からは空いた空間、空いた時間で大好きな英語を今年の分まで勉強できたらいいな、と考えています。

画像

Break The Boundaries (10/5 追記あり)

TIMEの Next Generation Leadersで白石阿島さんが紹介されていました。去年は「最も影響力のある10代 2015」で選ばれていますが、近いうちにTIME100にも選ばれそうな気がします。2~3年前から個人的に注目している方です。NYで生まれ育っているだけあり英語はネイティブ。とてもやさしく可愛らしい話し方で、ご本人の雰囲気にぴったりマッチしているなぁといつも思います。これからは男性と競っていく領域になるとのこと、目が離せません。





今年のTIME100の選出について序文で書かれていたこちらの文章。

"...One way or another they each embody a breakthrough: they broke the rules, broke the record, broke the silence, broke the boundaries to reveal what we're capable of. They are seekers, with fearless willingness to be surprised by what they find. ... The people on the list, each in their own way, have lessons to teach. We can debate those lessons; we don't have to endorse them or agree with them. But the influence of this year's TIME 100, to my mind, is that down to the last person, they have the power to make us think. And they are using it."



まさしく彼女もそういった方のひとりですね。素晴らしいです。


--------------------------------------------------


さいきんしょっちゅう耳にする単語。その単語、この中にあるのですが分かりますか?

画像



はい。"misogynist" (misogyny, misogynistic)です。 ニュース、ドキュメンタリーなんかの硬い番組ではなくても、政治の話し関係ない場面でも普通に出てきます。ポッドキャストを聞いていても、雑談の場面でもポロっと出てきますね。毎日聞かない日はないんじゃないかっていうほどです。初めて聞いたとき知らない単語だったので「今、なんて言った?」状態で、すぐ調べました。発音がちょっとトリッキーというか、最初は別の単語かと思ってしまいました。


単語は流行り廃りがあるので、1年前はよく聞いたけど、今は使われてないなぁとかよくあるのでいつまで勢いが続くか分からないのですが、さいきんよく使われるのでちょっと頭の隅に入れておくと良いかなと思い触れさせていただきました。

画像



------------------
(2016 10/5 追記)

どうでもいいことですが、上のトランプ氏の風刺画に出てくる蛙 = Pepe the frog について、先日Reply All #77 で取り上げられていましたので、リンクを貼っておきます。

Lost in interpretation

ここ1~2年海外の知人から翻訳などを頼まれる機会が増えました。(ボランティア) 簡単なメールから、歌謡曲の歌詞、動画など内容はさまざまです。英語 日本語の場合もありますが、ほとんどは日本語 英語です。


その中で興味深いことがありましたので書いてみたいと思います。



Youtubeなどの動画に字幕を付けてほしいと頼まれることがあります。日本語で話しているものに英語字幕をつけるという作業です。この作業をすると、いかに日本語が


  • 主語をできるだけ明示しない

  • 目的語も前後で推測できるなら限界まで明示しない

  • 助詞や語尾や言葉の選び方で細かなニュアンスを伝える

  •  
  • 全体像としてはぼんやりオブラートに包みつつきもちを伝える




言語であるかということを思い知ります。英語に翻訳していくということは、この逆の作業をしなければなりません。つまり、



  • 省略された主語を明らかにする

  • 省略された目的語を補う

  • くみ取ったニュアンスを別の単語を使って付け加える

  •  
  • ぼんやりとした真意がわかりやすく伝わるように文脈を整える




この作業をしつつもオリジナルの雰囲気を損なわないように細心の注意を払います。アメリカ人がつけた英語字幕のQuality Check をすることもあるのですが、日本語では省かれてしまっていた主語を補う過程で主語の取り違えをしていることもかなり多いので、「行間を読む」という作業は日本人でないなら尚更難しいだろうなぁと感じたりもします。


-----------------------

さて、そういった作業をしている中で、最近たまたま、元の動画に通訳の方が存在しているというものが回ってきました。登場人物はこんな感じ↓


 ① 話しているのは日本人(日本語)

 ② インタビュアーはアメリカ人(英語)

 ③ その横に通訳者

インタビューで尋ねる日本語での質問も用意されていますし、日本人側は日本語でそれについて答え、後からそれを(今回は私が訳し、ネイティブがチェックして)字幕を付けます。通訳の方が訳された部分は編集でカットされることになります。


カットされるのですが、私としては通訳の方がどうその場で訳していたかを見るありがたい機会とななりました。そして感じることが大きかったのでまとめます。


通訳と翻訳の大きなちがいだと感じるのは、通訳はその場で瞬時に英文を口にださなければならない点かと思います。同時通訳でなくても、そこにかけられる時間が本当に短い。会話のリズムが崩れないように"短時間で反応する"ということがとても大きなファクターになるからです。


加えて、これが日本語の泣かせどころで、ただ訳せばいいのではなく、オリジナルにはない主語、目的語、隠されたニュアンス、真意を補わなければなりません。ものすごいアクロバティックです。


公的な外交の場面などでは曖昧さは排除された特別な日本語になるはずなので、英語にするのはどちらかというとやりやすいのかも知れまんが、ふつうの会話、その場で考えながら話すパターンの日本語は逆に訳しづらいと感じます。話している本人も曖昧のまま、というケースが結構あるためです。


たとえば、仕事で関わっているグループプロジェクトついて話しているときに、こう言ったとします。


「それはちょっとどうかと思うんですよね」


このとき、「自分がそれはどうかと思っている」のか「グループ全体がそれはどうかと思っている」のか、それとも「会社がそれはどうかと思っている」のか、本人もあまり意識していないケースが結構ある。突き詰めれば主語は出てくるが、なんとなくそこはグレーにあえてぼかして話す美徳というのがあるので、本人も意識してないケースが結構あると思います。


親しい間柄ならば「言いたいことはたぶんこう」と予想がつきやすいため誤訳は少ないですが、初対面の場合は相手の思考パターン、思想、バックグラウンドを把握していないと深い"想い"までくみ取って通訳するのは至難の業でしょう。


先の 「それはちょっとどうかと思うんですよね」 を例にとれば、"I ..." で行くか、"We..." でいくかのか、はたまたそこはぼかして "It..."でうけていくのか、いろんなパターンが想定されます。話し手の思いができるだけ正確に伝わるようリアルタイムで通訳するのは、正直相当厳しいと言わざるを得ないと感じました。私よりはるかに英語力があるプロの通訳の方(バイリンガルかもしれません)が訳す限界を目の当たりにして、結構衝撃を受けました。英語力云々ではなく、日本語と英語のちがいの大きさのせいだと思います。


なんというか、たしかに大まかな訳としては合っているけれど、ポイントがどこか分からなくなってしまったり、ニュアンスが省略されてシンプルになりすぎたせいで、ものすごく幼稚に聞こえてしまう場面がありました。でもこれは雑談を通訳する上では「あるある」ではないのかな、と思うんです。分かりやすく例えると、「世界平和」について本人が日本語で色々と熱く語った結果が

「せんそうはいけないとおもいます。みんながかなしくなるし、みんなできょうりょくしてせんそうをなくしていかなければいけないとおもいます」


みたいになってしまう場面がある。そこに込められたニュアンスや、深みがごっそり言語の壁、通訳の過程、時間の制約などもあり抜け落ちる。もし質問がその発言を受けて続いていく場合、日本語の分からないインタビュアーは相手のレベルに合わせようと質問を調整するでしょうから、質問自体が浅いものとなり、会話が深まっていかない可能性もあると思います。



海外メディアにインタビューを受ける予定がある方、発言が英語圏に取り上げられそうな方、取り上げてほしい方がいるかもしれないので、上にあげたような誤解を防ぐための解決策をあげます。いつもとは少しちがう「海外向けの日本語の話し方」です。


① 日本語で話すときに主語(や目的語)がわかるような話し方にする。

私は、あなたは…というのはさすがに不自然な場合は、「私の意見としては」とか、あの手この手でとにかく主語や目的語を補った話し方にする。


② 具体的な経験やエピソードを入れる

どうしても日本語の癖が出て、「~かんじ」 「気がする」 「なんか~」 「じゃないかな」みたいなニュアンスで行間で伝えるような話し方になります。そういったニュアンスは先にも述べたように"ごっそり"落とされる可能性もあります。

そこで、「こういう経験をした」 「いつ何があった」みたいなエピソードを入れます。エピソードは訳し落とされることはまずない。エピソードが伝われば、相手も人間なので、そこから想像して落ちていったニュアンスを受け取ってくれる素地となります。「こういう経験をした → だからこう感じた(こう思う)」 とセットで話します。 

NG: 「震災があったじゃないですか、ああいうことがあったんでなんか色々とね…」 これだとまだまだ弱いです

OK: 「○年前に○○で震災があったんです。それで自分は○○な場面を目にし(経験し)、だから今○○だというふうに感じているんです」


ここまで補うことで、訳落ち、ニュアンス落ちを防ぐ。NG例だと "you know, there was the earthquake...so yeah...you know?" なんかになってしまう。下手したら the earthquake ですらなく an earthquakeとして処理されて、震災ってなんの震災だかわからないままですし、曖昧だからここはまあ重要じゃないな、という感じでばっさり切られるかもしれない。

日本人なら、震災といったら、最近だったら「東北か熊本」。話し手のそれまでの流れから、もしかすると「阪神」と瞬時に「察する」ことができます。そのトーンからどれだけの辛い経験があったのかも「察し」ます。もしかしたらご家族や身近な方を亡くされたのかもしれない、ということまで想像し、そして敢えて突っ込みません。「なんか色々とね…」の「…」に込められた重さを感じるからです。でもこうしたことが通じません。具体的な経験を詳しく伝えるのを忘れないようにします


③ 質問を繰り返し、YES・NOで答えられる質問ならば、まずそのどちらかをいう。YES・NOで答えられない質問の場合も、まずその答えを伝えてから話し始める

あいての質問を繰り返してから話し始めます。これは「Zootopia」でも出てきたテクニックですが、ぜひ使ったほうがいい。繰り返すことで、自分が質問の意図を再確認できるからです。というのも、日本人が質問からどんどん脱線して話し続ける場面をたくさん見てきました。自分自身も反省です。


前にブログでも書きましたが、これは「答えを明確にすることを避ける」のが美徳という日本の文化が背景にあると思います。相手の「察する能力に委ねる」ことで、相手への敬意を示すのが日本語。


英語(とくにアメリカ)では真逆です。イライラされるし、無礼だし、知性が低いともとられます。

「どう感じますか?」 と聞かれて、一言で言えないようなことだったら、まず 「それは難しい質問ですね。自分としては…」と、まず自分の立ち位置を伝えてから話し始めます。



④ さいごに質問の答え、自分の伝えたいことを繰り返す

さいごじゃなくてもいいですが、言いたいことはあの手この手で繰り返したほうがいいと思います。訳落ちも防げますし、相手に「ポイントはここ」と最もわかりやすく伝えられるからです。


以上 外国の方に向けて日本語で話す際の自分なりに感じた注意点になります。自分は通訳者でも翻訳者でもありませんが、こうやって話して頂けるだけでかなり訳者の負担が減るかなと想像できますし、伝えたいことも正確に伝わる可能性が高まると思うのでもしよろしければお試しください。

///////////////////////////////////////////

余談ですが話題の 『君の名は』を観てきました。評判通りとても良かったです!世界85カ国での公開も決まっているとのこと、楽しみですよね!!


自分的には

「わたし、わたくし、僕、俺…」

の部分がどういう字幕になっているのか、どう吹き替えられるのか注目しています。自分だったらフォントを変えて対応するか、声色を変えることで対応させるか、それかもう全然ちがうセリフに変えるのか…。ともかく英語版も見てみたいと思っています。


"誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ "


わずか31音で広がる世界の美しさと意味の奥行き。1300年以上前の歌が今でも使われて、その何重にもかけられた意味に酔う。読み解いていく日本語の美しさを感じます。万葉集には知らない歌がたくさんです。英語だけでなく、そちらも親しもうと思いました。





新海誠監督の作品ではほかに『言の葉の庭』も観たことがあるのですが、映像が本当に美しい。今回の『君の名は』もそうですが、個人的には新宿周辺がよく出てくるのでそれもツボです。